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池田北京五輪へまずアジアVだ

アジア大会優勝を狙う池田久美子
アジア大会優勝を狙う池田久美子

 陸上の池田久美子(25=スズキ、福島大出)が、アジア大会走り幅跳び(9日予選、10日決勝)で優勝を狙う。6メートル86の日本記録保持者。小学生時代は「天才少女」として脚光を浴びたが、高校時代には激太りによるスランプも経験。試練を乗り越えてきた池田が、アジアVをステップに07年の世界選手権、08年の北京五輪へ向け、世界トップへ飛躍する。

 池田は山形・松原小学校5、6年時に、走り幅跳びの年齢別日本記録を樹立。酒田三中時代も、全国中学陸上で3連覇するなど「天才少女」として脚光を浴びた。中学3年時には走り幅跳び、100メートル障害で中学日本記録、100メートルジュニア障害で日本記録を更新した。

 順風満帆だったはずの競技人生は、日大山形入学後に一転した。実家から出て下宿生活したが、1人暮らしの寂しさが募った。ストレス解消に菓子を食べまくった。「脂肪が増えたら走れなくなる。それでも食べるのをやめられなかった」。1日にスーパーのカゴ1杯分もの菓子を食べたこともある。体重は52キロから12キロ増の64キロに。中学時代の記録にさえ、及ばなくなっていた。

 高校2年で仙台育英に転校した。同時期に家族全員で仙台へ引っ越し。酒田市でそば店を営んでいた父実さんは、店を畳んで同校の体育教師、陸上部の監督になってくれた。「家に帰ると『ただいま』と言えた。その日あったことも話せた」。家族愛で寂しさが解消、体重は5キロ減った。「やめようかと真剣に思ったこともあった」陸上への情熱も再燃。3年時には国体優勝も果たした。

 福島大進学後、川本和久監督に出会った。「それまでは才能で記録を伸ばしていた。技術、メンタルを教えてもらった」。インカレ優勝、世界選手権出場など素質が開花した。「毎日居残りで気が済むまで練習して」空中で足を動かすジャンプ方法“シザース”を覚えた。同級生に空中での姿勢をビデオ撮影してもらい、毎晩チェック。周囲には午前0時に閉店するコンビニ1軒しかない環境で、陸上に打ち込んだ。

 04年のスズキ入社後も順調に記録を伸ばしている。今年4月には100メートル障害で日本歴代2位の13秒04。5月には走り幅跳びで6メートル86の日本記録を樹立。将来の夢は「北京五輪で7メートルとメダル」。まずはアジア大会優勝で弾みをつける。【斎藤直樹】

[2006年12月8日11時53分 紙面から]


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