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昨夏8強日大山形が完敗/夏の甲子園
<全国高校野球選手権:常葉学園菊川12-4日大山形>◇6日目◇13日◇甲子園球場◇2回戦
昨夏県勢初の8強入りを果たした日大山形が、意地の4点を挙げた。今センバツ王者で、春夏連覇を狙う常葉学園菊川(静岡)に4-12で完敗したが、終盤に反撃。8回、県大会の負傷で先発を外れた小山田嵩弥主将(3年)が代打安打で、2点につなげた。阿部拓也投手(3年)は3ラン2発など11安打を浴びたが、168球を投げきり、9回には適時打を放った。センバツ覇者の壁は厚かったが、最後まで全力プレーを見せた。
9回裏1死一、三塁。ここまで全打席出塁の平五陸二塁手(2年)の放った打球は、相手遊撃手の正面に飛んだ。二塁がフォースアウト。平が果敢にヘッドスライディングで一塁に滑り込んだが、塁審はアウトの判定。今春センバツ優勝校の壁は厚く、日大山形の夏が終わった。平は目を真っ赤にしながら「本当に悔しい。来年この悔しさを返したい」と雪辱を誓った。
意地は見せた。0-10で迎えた8回裏1死一、二塁の場面で、荒木準也監督(35)は「何としても打たせてやりたい」と小山田を代打で送り出した。県大会決勝で左ひざ外側じん帯を損傷。大阪入り後の11日、守備練習の送球の際に、体重が同部位にかかり負傷を悪化させた。この日、大阪市内の病院で痛み止めの注射と、薬を飲んでベンチに入っていたが、走れる状態ではなかった。
それでも初回からバットを持って備えた。そして迎えた8回、ようやく出番がきた。荒木監督は、熱き主将としてチームを引っ張ってきた男に、ここぞの場面でチャンスを与えた。場内アナウンスが流れると、三塁側アルプススタンド応援席から大歓声がわき起こった。負傷をみんな知っていたのだ。
小山田が、この声援に応えた。今夏左腕NO・1の呼び声高い、相手エースの田中健二朗(3年)から気力の右前打。負傷を感じさせない力走で一塁ベースに達した。すでに左ひざは限界に達しており、代走の佐々木孝(2年)と交代した。「センバツ優勝投手だが、気持ちでは上回った」。1死満塁の好機をつくり上げ、足を引きずりながらベンチに戻る小山田に、甲子園は大きな拍手を送った。この一打がナインを奮起させ、終盤の4点につながった。昨夏8強戦士の阿部も、12点を奪われながら168球完投。9回には「意地を見せたかった」と、チーム3点目となる右前適時打を放った。
昨夏は県勢初の8強入りで、斎藤佑樹投手(早大1年)擁する早実(西東京)をあと1歩まで苦しめた。今夏、快進撃の再現はならなかったが、日大山形持ち味の粘り強さと執念を、確かに甲子園に刻んだ。【塩谷正人】
[2007年8月14日12時46分 紙面から]
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