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花巻東が1点に涙/夏の甲子園

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花巻東ナインは肩を落として応援団にあいさつに向かう。左端は好投の菊池
花巻東ナインは肩を落として応援団にあいさつに向かう。左端は好投の菊池

<全国高校野球選手権:新潟明訓1-0花巻東>◇3日目◇10日◇甲子園球場◇1回戦

 1点に泣いた。花巻東(岩手)が0-1で新潟明訓に惜敗した。先発左腕の落合啓晃投手(3年)は4回を無失点に抑えた。後を受けた145キロ左腕、菊池雄星(1年)も1失点と踏ん張ったが、打線が5安打14三振と沈黙。好守を見せたが、43年ぶりの勝利はならなかった。

 ホームが遠かった。相手右腕、永井剛投手(3年)の130キロ台のスライダーとシンカーを最後までとらえることができなかった。佐々木洋監督(32)は「ストライクでも振るなと指示したが。分かっていても選手の体が自然に反応してしまった」と振り返った。4回に1死二、三塁と最大の好機を迎えたが、セーフティースクイズ失敗と、二塁走者のけん制死でつぶした。「監督の力がなかったのでしょう」と淡々と話した。

 投手陣は踏ん張った。先発した落合は、ヒジ痛を抱えながら4回4奪三振無失点と試合をつくった。2番手菊池も5回を1失点。予定通りの継投だったが、菊池にとっては悔やまれる失点だった。登板したばかりの5回2死一、二塁のピンチ。相手3番を追い込みながら、左前にはじき返された。「(捕手は)インコースの構えだったが、真ん中に行ってしまった」。三振を狙った、この日最速138キロの直球だった。

 決して本調子ではなかった。菊池は2週間前、スライディング練習中に左手首を打撲。以降まともな投球練習ができず、変化球を交えて投球したのは試合2日前からだった。それでも「(ケガは)関係ない」と終盤8、9回で4奪三振。大器の片りんは見せた。バックも好守でもり立てた。

 64年以来の1勝は、後輩に託される。落合は「2年の(中村)有哉と1年の雄星は貴重な体験ができたと思う。甲子園はこういうところだ、ということを後輩たちに教えてつなげていってほしい」。登板のなかった背番1、伊藤厳投手(3年)は菊池と寮で相部屋。ライバルでありながら、1年生左腕をサポートしてきた。「頑張って投げてくれた」と、県大会優勝の立役者に、優しい言葉を送った。「誰にも打たれない投手になる」と菊池。16歳の夏を終え、そう誓った。【清水智彦】

[2007年8月11日12時41分 紙面から]


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