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深浦最後の夏…意地の1安打/高校野球

- 5回のピンチにマウンドに集合する深浦ナイン
<高校野球青森大会:黒石商11-0深浦>◇2日目◇13日◇六戸総合運動公園野球場ほか◇1回戦
青森では来年度から統廃合により木造高深浦校舎となる深浦が、0-11の5回コールドで黒石商に敗れた。相手投手に完全に抑えられていた5回1死から、滝吉良介主将(3年)がチーム唯一の安打を放った。現校名として最後の夏、意地の1本となった。
5回裏、11点差で後がない深浦に、さらに大きなプレッシャーがかかった。相手の須藤良介投手(3年)から、まだ1人も走者を出していなかった。先頭打者が倒れ、あと2人。ここで打席に立った5番滝吉主将が、内寄りの直球を三遊間に打ち返した。詰まりながらも、打球は遊撃手のグラブをはじき「H」の赤ランプが点灯した。
全力で一塁を駆け抜けた。執念の内野安打だった。「何としてもセーフになろうと必死でした」。野球部を除く生徒47人の全校応援にも応えた。「後押ししてくれた。応援がなければショートゴロで終わっていた」と胸のFのエンブレムを真っ黒にしながら話した。2年前、同校が夏初勝利を挙げたときは一塁を守った。「泣いて笑って、充実した3年間でした。みんなに感謝したい」と振り返った。
98年夏、東奥義塾に0-122の記録的大敗を喫し、全国の注目を浴びてしまった。4月から就任した大湯輔(おおゆ・たすく)監督(28)は「周囲からも大変だろう、とは言われたけど何とかしようと、前向きに考えた」という。一生懸命やろう、全力で走ろうとハッパを掛けてきた。甲子園出場経験のある監督に、選手も信頼を寄せた。滝吉主将は「うまくなれるんだ、と思ってやってこれた」と話した。4月の公式戦では20点、30点差の試合ばかりだった。この日は11点差。大湯監督は「成長した。(1安打負けでも)恥ずかしいことじゃない」と選手をねぎらった。
創部21年目、「深浦高校」として最後の夏が終わった。大湯監督は「来年は、木造高深浦校舎として、深浦町にある学校として出場したい。その方針です」と今後を話した。しかし、3年生や卓球、空手部からの助っ人を除くと部員はわずか2人しか残らない。滝吉主将は「夏休みに入っても、グラウンドに出て手伝いたい。部員集めもみんなで手助けしたい。後輩に勝利を味わわせたいから」。来年4月から新校名になるが、新たな歴史をつくっていく。【清水智彦】
[2006年7月14日13時0分 紙面から]
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